釣った魚は美味しくいただこう!

釣り人には食す醍醐味より、釣る事のみが醍醐味の人も多くいらっしゃいます。
しかし、ほとんどの方は
『釣った魚は美味しく食べたい』と思われるのではないでしょうか?
隣近所におすそ分けするにしても、最高の状態で食べて頂きたいのは当たり前です。
釣りたての魚を食べれる事、これが釣り人の特権ですからね!

しかし、釣った魚の処理方法、持ち帰り方を誤れば
美味しいはずの魚もまずくなったり、これまでと変わらない魚の味でしかありません。
『この魚ってこんなに美味かったの?』なんて感動を味わうのも
処理方法、持ち帰りの仕方一つで変わります。
せっかく釣りあげた魚ですから、最高の状態で味わって貰いたいものです。


釣りたての魚の扱い方 (エアー抜き〜活かし)

 季節により難しさはあるのですが、四季丸では活かせる魚は最大限イケスで泳がせて帰るようにしています。
自宅へ持ち帰る直前まで活き活きしていて欲しいからですね!
死んで当たり前だと思っているアマダイや根魚等も
釣れ方次第では立派に泳がせて帰れます。

釣れ方次第
というのは
 特に深場から釣り上げた魚は急激な水圧の変化で、眼球が飛び出たり、胃袋や浮袋が飛び出たり・・・・

眼球が飛び出た
状態のアコウ
浮袋が飛び出た
状態のホウボウ

こうなるとほとんど活かし続ける事は不可能になりますので、その場で活け絞めをし、魚によっては神経絞め(神経抜き)までしてクーラーに納めます(後述)。
真鯛においては水圧には非常に強い(そのため海面ぎりぎりまで抵抗する魅力がある)のですが、浮き袋だけはどうしても水圧に勝てず腹部が膨張します(中には肛門から腸が出たりする個体もありますが)。
そのままイケスに泳がせようとすれば、バランスが取れないため腹を上にしたまま、やがて息絶える事が予想されます。
よって、真鯛は大小を問わず必ず
エアー抜き処理をしておきます。
他の魚種においても、浮き袋だけの膨張程度で釣れれば
エアー抜き処理で十分活かせます。

エアー抜き処理
方法は
 この方法は、専用のエアー抜きを使って行うのが一般ですが、大きな注射針等でも代用出来ます。
肛門から抜く方法、口から抜く方法、脇腹から抜く方法等、魚種や状況によって処理します。


船長の
エアー抜き

方法3種類画像入力予定です
いずれの方法にせよ気を付けなければならないのは、誤って臓器を傷付けない事です。
臓器を痛めれば、出血して息絶えるのも時間の問題です。

エアー抜き処理までも殆ど船長がお世話させていただいておりますが、『MYエアー抜き』を持参して自らエアー抜き処理を出来るようになってくれるお客様が増えるといいですね^^嫌味じゃありませんよ^^
各魚のエアー抜き方法は船長も指導させていただきますが、これも実践して行かなければなかなかコツが掴めないものです。
こうやって活かせる魚は泳がせておけば港に着いて水揚げするまでピチピチ跳ねています。
イケスにはエアレーションも施してますので、酸欠も無く泳がせて帰れます。


活魚の処理 (活け絞め〜神経抜き)

 さて無事港へ着きました。イケスではまだ元気よく魚が泳いでいます。
ここからは・・・いやここからも船長の一仕事です^^

 イケスから魚を掬い上げ、一匹一匹
活け絞めをして血抜きをする作業に入ります。

活け絞め
方法は?
 手カギと呼ばれる専用の道具で魚の脳の中枢部分を突き刺し、瞬時に痙攣させます(場所が外れると魚は傷ついてもまだ暴れまくります)。


船長の手カギ

その後、エラの内側の太い血管に傷を入れれば血液があふれ出ますし、大型の魚であれば尾びれの付け根部分の脊髄の血管にも傷を入れれば、圧の関係で血の出がよくなります。

こめかみ部分に
手カギを刺します
エラの隙間から
血管を切ります

尾びれの付け根の
血管も刺します

※この状態にして海水(出来れば氷水)にしばし漬けておけばしっかり血抜きが出来るでしょう。
通常ここまでの処理を活け絞めと言い、最低限必要な処理方法。
手カギが無い場合でも小型のナイフ等でも十分に代用出来ます。
活かしが困難な状態で釣れた魚は、自分で対応できるように覚えておきましょう!


さぁ、
手カギで絞められた魚はもう絶命したのでしょうか?
絞めたはずの魚がしばらくしてクーラーの中でバタバタと音を立てて暴れだしたと言う経験はございませんか?
絞めたはずなのに・・・・実はまだ完全には死んでいなかったと言う事です・・・神経が・・・

わかり易く言うと、脳からの『死にました』と言う命令信号が神経を通じて全身に行き渡り始め、これを合図に魚体が硬直を始めて行くのです。
いわゆる旨味成分(イノシン酸)の熟成がこの地点で既に始まっており、熟成が終わると腐敗への道をたどるのです。
ようは、硬直を早めてしまうと魚を美味しく保つ時間は短時間に限られると言う事です。
そこで、よくナイフ等を使って頭部の脊椎をぶった切って絞める人がいます。
こうすれば、脳からの信号は魚体に伝わらない・・・?
いえ、逆に元気な神経はめちゃくちゃな信号で全身に命令を送るでしょう・・・結果は同じと言う事です。
ならば・・・脊椎の中のおおもとの神経自体を破壊してしまえばいいのです。
そうすれば命令も何も送れなくなるのではありませんか?死んだ命令が魚体に伝わりにくいからしばらくは活きている状態^^?
その通りです。死後硬直までの時間を遅らせてやる事で、鮮度を保つ方法。
これが神経絞め(神経抜き)です。 
四季丸ではお客様の釣られた大切な魚を最高の状態で持ち帰って欲しいので、一匹一匹神経絞め(神経抜き)をします。

神経絞め(神経抜き)の方法
@見かけは気にしない最も簡単な方法
 頭部または尾びれの付け根部分に脊椎が見える位の大きな切込みを入れ、
ステンレス等の針金(専用の市販品もあります)を脊椎の神経の穴に差し込んで行く方法。
活け絞め画像(切り込み〜神経抜き)入力予定
A少し練習が必要ですが、魚体にあまり傷付けない方法
 魚の眉間部分に千枚通しなどで脊椎の入り口まで穴を開け、そこから差し込む方法。
活け絞め画像(千枚通し〜神経抜き)入力予定
 
 このように神経に針金等が挿入されれば、活け絞めしたはずの魚も再び痙攣を起こし、神経が壊されてしまえば完全に絶命してしまいます。
この後、海水(出来れば氷水)にしばらく漬けて血抜きをはかるといいでしょう。
ここまでの流れを出来るようになれば、グルメな釣り人にはまた一つ違った楽しみ方も増えるのではないでしょうか^^?

 さて活け絞めした後の船長の仕事の続きに戻ります。
四季丸では針金の代わりに
カーボン等の素材を使います。
荒く扱うと折れたり裂けたりしやすいのですが、柔軟性があり癖も付かず錆びませんから。
魚の大きさに合わせて1.2mm〜1.5mm位を用意しています。

船長の神経絞め

先程手カギで絞めた魚の鼻孔からカーボンを差し込み神経を貫きます。数回ほど出し入れすれば十分でしょう。
完全に動かなくなります。

鼻孔にカーボンを
挿入します
脊椎の奥まで入れ
ます
瞬く間に色がさめ
痙攣します


現在では手カギで絞めずに、まず神経を抜き
エラを切る作業をしています。

こうすれば真鯛のコメカミに手カギの傷を付けずに
綺麗な姿のまま持ち帰れます^^

※ここに動画を配信します。ご参考になれば^^

  まだまだこれからが大切なんですよ!
せっかくここまで大切に扱って処理した魚・・・これをたんまりと氷の入ったクーラーに押し込む・・・と・・・
どうなるでしょうか?・・・すぐに硬直が始まります。
実はせっかく死後硬直を抑えるために行った神経絞め(神経抜き)が、無駄になるって事です。
冷やし過ぎは厳禁なのです。
バラ氷や大きな氷の入ったクーラーに直接入れると、氷は溶け出し魚は水浸し・・・最悪です。
クーラーの中は冷蔵庫程度(4℃〜5℃)の温度と考え、氷はクーラーの大きさにもよりますが一握り程度。
もちろん溶け出さないようにペットボトル氷を使うとか、ビニールで漏らさないとか、クーラーの中を工夫してスノコ状態にして氷に触れさせないとか・・・・
こすれば、自宅に帰ってもまだまだ魚はふにゃふにゃで硬直していませんよ。

せっかく釣ったお魚です
最大限の鮮度で、最大限の素材として持ち帰ってください!

魚種別調理例

TOP